こんにちは。

 

 今回のコラムは肉離れについてです。

 

スポーツしている時や日常生活の急な動きで、

筋肉に痛みがはしったことはありませんか?

肉離れは、一度してしまうと非常に再発率が高い外傷になります。

このコラムで肉離れの内容を理解して再発防止に努めてもらえば幸いです。

 

 

肉離れ

 

まず、肉離れとは・・

肉離れとは俗称で、正式には「筋挫傷(きんざしょう)」といいます。

特にスポーツを行うなかで、全力疾走や急ストップなどの無理な動作をした場合に発生して、

筋膜や筋肉の損傷または断裂を起こすこといいます。

 

筋肉が裂けたり破れたりすることを筋断裂といい、

筋断裂のうち範囲が部分的なものを『肉離れ』と呼びます。

肉離れになると患部に痛みが走り、運動を続けられなくなります。

 

特に肉離れが起きたときに、筋肉が断裂した瞬間に「プチッ」という音が聞こえる

方や痛みのある部位がくぼみや変色が生じている場合もあります。

肉離れは、筋肉の強い収縮とともに、逆に強く引き伸ばされるような方向の力が

加わったときに起こりやすいと考えられています。

 

具体的には、急なダッシュやストップなどのタイミングで多く発生します。

筋肉疲労の蓄積、加齢、ウォーミングアップの不足などは、

肉離れを引き起こす要因となります。

 

日頃からストレッチをするなどして予防を心がけることが重要です。

肉離れが起こりやすい部位はスポーツ競技によって違いますが、

ハムストリングスや大腿四頭筋、内転筋、腓腹筋など、

主に下半身の筋肉に起きることが多いです。

 

肉離れの症状

肉離れの重症度の分類

度 筋繊維の微細損傷

筋肉または筋膜に大きな断裂などなく伸ばされた程度。

患部を押すと痛みがあります。

自力歩行も問題なくできる。

回復期間の目安 1~2週程度で回復。

 

度 筋繊維の部分断裂

筋肉または筋膜が部分的に断裂して、皮下出血が起きている状態。

患部を押すと痛みがあり、自力歩行はある程度可能だが、痛みが強く困難なものが多い。

回復期間の目安 1ヵ月~2ヵ月程度で回復。

 

度 筋繊維の完全断裂

筋肉または筋膜が深く断裂して、目視でも患部が凹んで見える状態。

痛みもかなり強く自力歩行がほぼ不可能。場合によっては手術を要する。

回復期間の目安 3ヵ月~6ヵ月で回復

 

肉離れの部位別、重症度判別方法

太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)

軽度
うつ伏せに寝て膝を90度以上曲げられる。
中度
うつ伏せに寝て膝を45度~90度位までなら曲げられる。
重度
うつ伏せに寝て膝を45度までしか曲げられない。

 

太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)

軽度
仰向けに寝て膝をまっすぐ伸ばした状態で、片脚を70度位までなら上げられる。
中度
仰向けに寝て膝をまっすぐ伸ばした状態で、片脚を30度~70度位までなら上げられる。
重度
仰向けに寝て膝をまっすぐ伸ばした状態で、片脚を30度位までしか上がらない。

 

ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)

軽度
ふくらはぎをストレッチにて若干の痛みがある程度。
中度
ふくらはぎをストレッチにて強い痛みがあるが、膝を曲げた状態で行うと痛みが弱くなる。
つま先立ちができる。
重度
ふくらはぎのストレッチにて、膝を曲げた状態でも軽く伸ばしただけで強い痛みがある。
つま先立ちができない。

 

肉離れ

 

肉離れが起きてしまったら、まずはRICE処置

RICE処置とは、肉離れなど外傷を受けたときの基本的な応急処置方法。

Rest(安静)・Icing(冷却)・ Compression(圧迫)・Elevation(挙上)

4つの処置の頭文字からとった処置方法です。

肉離れが起きたときにRICE処置を行うことで、内出血や腫れ、痛みを抑え、

回復を助ける効果があります。

 

Rest(安静)

肉離れをしたら、まずは安静に保つことが大切です。

むやみに動かすと悪化してしまう可能性があるので、

患部にタオルや添え木などを当てて固定します。

 

Icing(冷却)

肉離れを起こした患部を氷や氷水などで冷やします。

患部を冷やすことで、毛細血管が収縮して、腫れや内出血、痛みなどが抑えられます。

ただし、冷やしすぎることと冷やし方により凍傷になる恐れがありますので注意が必要です。

 

具体的には、氷を氷のうやビニール袋に入れて患部に当て、20〜30分ほど冷やします。

ピリピリとした痛みが出たあと無感覚な状態(20~30分)になったら、

一度氷を外してゆっくり皮膚感覚を取り戻します(1~2時間)

そのあと再び氷を当て、これを何度か繰り返します

(受傷から1~3日間※生活に支障がない範囲で大丈夫です)

 

Compression(圧迫)

患部にテーピングやバンテージなどを巻いて圧迫し、腫れや内出血を最小限に抑えます。

ただし、きつく圧迫しすぎることは良くありません。

血流障害や神経障害を起こしますので、しびれや変色が生じたらすぐに緩めましょう。

 

Elevation(挙上)

患部を心臓より高い位置に保ちます。

血液が心臓に向かって流れるので、内出血による腫れを防ぐことができます。

 

肉離れから復帰へ

ストレッチングからリハビリ

肉離れを起こしてから3日位経過して痛みが治まってきたら、

筋肉が軽く伸びる程度にゆっくりハムストリングのストレッチをしてみます。

1回20~30秒で、3~5回ほど行ってみて痛みを感じなければ、徐々に強度を上げていきます。

 

痛みが残る場合は仕方がありませんが、

安静にしている間に筋肉の機能は動かさないことで低下していきます。

その上、動かさない時間が長くなるほど、筋肉に柔軟性が失われてしまうので、

積極的に動かしていくようにします。

 

ただし、痛みが残るのに中途半端な状態で行うと、肉離れを再発する危険があるので、

状態を正確に見極めましょう。

 

ハムストリングストレッチ

 

筋力トレーニング

肉離れを起こすと、損傷の影響や活動制限により筋力が低下します。

筋力が回復しないまま競技に復帰すると筋の柔軟性低下と同様に多くの悪影響が生じます。

復帰に向けて筋力強化が重要となりますが、

過度なトレーニングは痛みの再発につながります。

 

ヒップリフト

 

まとめ

肉離れは打撲や筋肉痛と違い、無理にストレッチをしたり、

負荷をかけたりすることで完治の遅れや悪化を招く可能性があります。

痛みなどの具合から状態を見極めて、軽いストレッチからリハビリを始めていきましょう。

そして、自己判断をだけではわからない場合は、

まずは整形外科を受診してみてはいかがでしょうか。

コラムを読んでいただき、ありがとうございます。

 

 

 

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