
こんにちは。
豊橋市のパーソナルトレーニングジム
S-pace【エスペース】です。
「サッカーの試合後半になると、ふくらはぎがつる」
「ランニング中、急に足がつって走れなくなった」
「水分補給はしているのに、なぜか毎回足がつる」
スポーツをしている方なら、一度はこうした経験があるのではないでしょうか。
足がつると、「水分が足りなかったのかな?」「ミネラル不足かもしれない」と考える方も多いと思います。
もちろん、水分やミネラルは筋肉を正常に働かせるうえで大切です。
しかし、最近の研究では、スポーツ中に足がつる原因は、水分不足やミネラル不足だけでは説明できないことが分かってきています。
実は、筋肉の疲労や運動強度、神経と筋肉の働きなど、さまざまな要素が関係していると考えられています。
今回は、スポーツ中に足がつる仕組みから、その場での対処法、予防のために意識したい身体づくりまで、トレーナーの視点から分かりやすく解説します。
そもそも「足がつる」とは、身体の中で何が起きている?
足がつることは、一般的に「こむら返り」とも呼ばれます。
医学的には筋けいれんの一種で、自分の意思とは関係なく、筋肉が突然強く収縮してしまう状態です。
特にスポーツ中では、ふくらはぎや太ももの裏側、太ももの前側、足の裏などに起こることがあります。
通常、筋肉は脳や神経からの指令によって縮んだり、緩んだりしています。
例えば、走るときには、筋肉が収縮するタイミングと緩むタイミングがうまく調整されています。
ところが、筋けいれんが起こると、筋肉を収縮させる神経の働きが過剰になり、筋肉がうまく緩まなくなると考えられています。
その結果、
「急に筋肉が硬くなる」
「強い痛みが出る」
「足を動かそうとしても動かしにくい」
といった状態になります。
運動中や運動直後に起こる筋けいれんは、専門的には「EAMC(運動誘発性筋けいれん)」と呼ばれます。
ただし、なぜ起こるのかという仕組みは、現在も完全には解明されていません。
原因① 水分不足だけでなく「筋肉の疲労」が関係する
スポーツ中に足がつる原因として、近年注目されているのが筋疲労です。
例えば、サッカーでは試合開始直後よりも、後半の疲れが出てきたタイミングで足がつる選手を見かけることがあります。
これは単純に水分が減ったからではなく、長時間の運動によって筋肉や神経の働きが変化している可能性があります。
筋肉が疲労すると、筋肉を縮める働きと緩める働きの調整がうまくいかなくなり、筋けいれんが起こりやすくなるという考え方があります。
2022年に発表された研究レビューでも、筋けいれんには神経と筋肉の働きの変化が関係している可能性が指摘されています。
また、マラソンランナーを対象とした研究では、足がつった人とつらなかった人で、脱水状態や血液中の電解質に明確な差が見られなかった一方、筋肉への負担を示す血液検査の数値には違いが見られました。
この結果からも、「足がつる=脱水」と単純に判断できないことが分かります。
ただし、筋疲労だけがすべての原因と証明されたわけではありません。
参考:[NSCAジャパン|運動中に脚がつる原因](https://park.nsca-japan.or.jp/category-13/post-3485/)
原因② 水分・ミネラル不足も無視できない
筋疲労が注目されているからといって、水分補給が必要ないわけではありません。
特に暑い時期や、長時間の運動で大量に汗をかく場合には注意が必要です。
汗には水分だけでなく、ナトリウムなどの電解質も含まれています。
電解質とは、筋肉の収縮や神経の働きなどに関わるミネラルのことです。
代表的なものには、
- ナトリウム
- カリウム
- カルシウム
- マグネシウム
などがあります。
これらは身体を正常に働かせるために欠かせません。
ただし、運動中に足がつったからといって、必ずしも特定のミネラルが不足しているとは限りません。
大量の発汗による水分・塩分の不足が関係する場合もあれば、それだけでは説明できない場合もあるということです。
日本スポーツ協会では、暑い環境で運動する際、水分だけでなく、汗によって失われた塩分も適切に補給するよう勧めています。
スポーツドリンクなどを利用し、0.1〜0.2%程度の塩分を含む飲料を活用する方法も紹介されています。
ただし、必要な水分量や塩分量は、気温・運動時間・発汗量などによって変わります。
参考:[日本スポーツ協会|熱中症予防5ヶ条](https://www.japan-sports.or.jp/medicine/heatstroke/tabid917.html)
原因③ 運動強度や身体の状態も関係する可能性がある
もうひとつ考えたいのが、普段の練習と実際の試合での運動強度の違いです。
例えば、
普段は30分程度しか走っていないのに、急に長時間走る。
練習ではあまり全力疾走をしていないのに、試合では何度もダッシュを繰り返す。
久しぶりの運動で、以前と同じ強度のトレーニングをする。
こうした状況では、筋肉に普段以上の負担がかかることがあります。
また、睡眠不足、前日の疲労、運動前の食事なども、当日のコンディションを考えるうえでは重要です。
ただし、これらが直接筋けいれんの原因になると、すべて科学的に証明されているわけではありません。
トレーナーとして大切にしたいのは、「足がつった」という結果だけでなく、その日の身体の状態や運動内容まで確認することです。
特に毎回同じタイミングで足がつる人は、運動量や疲労の蓄積、筋力などを見直すきっかけになります。
水分をしっかり飲んでいても足がつるのはなぜ?
「試合中にスポーツドリンクを飲んでいたのに足がつった」
そんな経験がある方もいると思います。
実は、これも珍しいことではありません。
2026年9月に公表された研究レビューでは、運動中の筋けいれんに関する複数の研究が分析されました。
その結果、過去に筋けいれんを経験したことがある人は、その後も筋けいれんを起こしやすい傾向が確認されました。
一方で、水分状態や電解質の数値、一般的なトレーニング量などについては、筋けいれんとの関係が一貫しているとはいえませんでした。
つまり、
水分補給をしていても、足がつることはある
ということです。
ただし、水分補給に意味がないわけではありません。
脱水を防ぐことは熱中症予防や運動パフォーマンスの維持に重要です。
水分補給に加えて、筋肉への負担や普段のトレーニング内容なども考える必要があります。
参考:[Risk Factors for Exercise-Associated Muscle Cramps:2026年研究レビュー](https://doi.org/10.1002/mus.70389)
スポーツ中に足がつったら?正しい対処法
では、実際に運動中に足がつった場合、どうすればよいのでしょうか。
① まずは運動を中断する
足がつったときは、無理に動き続けないことが大切です。
特にサッカーやランニングでは、痛みを我慢して走り続けると、転倒などの事故につながる可能性もあります。
まずは安全な場所に移動し、身体を休ませましょう。
② つった筋肉をゆっくり伸ばす
筋けいれんが起きたときには、痛みのある筋肉を無理のない範囲でゆっくり伸ばす方法が推奨されています。
例えば、ふくらはぎがつった場合には、膝を伸ばした状態で、足のつま先をゆっくり自分の方へ向けるようにして筋肉を伸ばします。
急に強く引っ張るのではなく、痛みが落ち着くまで優しく行うことがポイントです。
ただし、筋肉や腱の損傷が疑われる場合には、無理にストレッチしないでください。
③ 身体の状態に合わせて水分補給する
大量に汗をかいている場合には、水分や塩分の補給も考えましょう。
ただし、飲み物を飲んだからといって、すぐに筋けいれんが治まるとは限りません。
また、意識がはっきりしない場合や、吐き気が強い場合には、無理に飲ませないことが重要です。
痛みが落ち着いても無理に復帰しない
一度筋けいれんが治まった後も、筋肉に違和感や痛みが残ることがあります。
特に強い痛みが続く、腫れや内出血がある、歩くのが難しいといった場合には、肉離れなど別のケガが隠れている可能性もあります。
その場合は運動を中止し、医療機関で確認してもらいましょう。
また、暑い環境で足がつり、めまい、頭痛、吐き気、強いだるさなどを伴う場合は、熱中症の可能性もあります。
涼しい場所に移して身体を冷やし、必要に応じて医療機関へ相談してください。
意識がおかしい、反応が悪い場合は救急車を呼びましょう。
足がつるのを防ぐために意識したい5つのポイント
筋けいれんを完全に防ぐ方法は、現在も確立されていません。
しかし、スポーツを安全に続けるために見直したいポイントはいくつかあります。
① 普段から筋力と筋持久力を高める
特にトレーナーとして注目したいのが、筋肉が繰り返し運動するための能力です。
例えば、サッカーの試合後半になるとふくらはぎがつる選手の場合。
ふくらはぎの筋力や筋持久力が十分なのか、下半身全体で効率よく身体を動かせているのかなどを確認します。
トレーニングの例としては、カーフレイズ、スクワット、ランジなどがあります。
もちろん、これらの種目を行えば必ず足がつらなくなるわけではありません。
しかし、競技で必要となる筋力や筋持久力を高めることは、運動への準備として大切です。
② 急に運動強度を上げすぎない
久しぶりの運動や、普段より長い試合・練習などでは、身体への負担が大きくなります。
そのため、急に運動量を増やすのではなく、身体の状態に合わせて段階的に負荷を上げていくことが基本です。
特に、運動を再開したばかりの方は、以前と同じように動けると思って無理をしないことが大切です。
③ 水分と塩分を適切に補給する
運動前から水分不足にならないようにし、運動中もこまめに水分を補給しましょう。
汗を大量にかく環境では、塩分を含むスポーツドリンクなどを利用することも選択肢になります。
ただし、水を大量に飲めばよいわけではありません。
必要以上の水分摂取によって、血液中のナトリウム濃度が低下する場合もあります。
自分の発汗量や運動時間、気温に合わせて補給することが大切です。
④ 食事・睡眠・疲労回復も忘れない
運動中のパフォーマンスを維持するためには、普段の食事も重要です。
特に長時間のスポーツでは、炭水化物が大切なエネルギー源になります。
また、筋肉の回復に必要なたんぱく質や、身体の働きを支えるビタミン・ミネラルなども、偏りなく摂取することが大切です。
「足がつるからマグネシウムを飲めばいい」
「バナナを食べれば必ず予防できる」
といった単純なものではありません。
特定の食品やサプリメントだけに頼るのではなく、普段の食事全体を整えていきましょう。
加えて、睡眠時間の確保や練習後の疲労管理も大切です。
⑤ ウォーミングアップで運動に備える
運動前には、軽いジョギングや動的ストレッチなどで身体を徐々に動かす準備を行いましょう。
例えば、足首の曲げ伸ばし、カーフレイズ、レッグスイング、軽いランニングなどです。
ただし、ウォーミングアップをしたからといって、必ず筋けいれんを防げるわけではありません。
大切なのは、身体の状態を確認しながら、いきなり強い運動に入らないことです。
毎回同じ場所がつる人は、身体の使い方にも注目
ここからは、少しトレーナー目線で考えてみましょう。
例えば、サッカーの試合後半になると、毎回右のふくらはぎだけがつる選手がいたとします。
この場合、単純に水分不足と考えるのではなく、
「右と左で筋力に差はないか」
「足首の動きに制限はないか」
「股関節や膝はうまく動いているか」
「走る・止まる・方向転換するときに、特定の筋肉ばかり使っていないか」
などを確認することがあります。
また、普段の練習量と試合での運動強度に大きな差がないかも重要なポイントです。
もちろん、身体の使い方に左右差があったからといって、それが直接足のつる原因とは限りません。
しかし、筋肉への負担が偏っていないかを確認することは、身体づくりの方向性を考えるうえで役立ちます。
足がつったという結果だけでなく、「なぜその筋肉に負担が集中しているのか」という視点を持つことも大切です。
こんな場合は医療機関に相談しましょう
運動中の足のつりは、一時的な筋けいれんであることが多いものの、必ずしもすべてが同じ原因とは限りません。
特に、足がつる頻度が増えている、運動していないときにも頻繁につる、筋力低下やしびれがある、腫れ・赤みがある、強い痛みが続く場合は、医療機関で相談することをおすすめします。
筋肉や神経の問題だけでなく、血流の異常や内科的な疾患、服用している薬などが関係している場合もあります。
「いつものこむら返りだから」と自己判断しないことも大切です。
まとめ|足がつる原因はひとつではない
スポーツ中に足がつる原因は、まだ完全には解明されていません。
しかし、近年の研究からは、水分不足やミネラル不足だけでなく、筋肉の疲労や神経と筋肉の働き、運動への適応状態なども考える必要があるとされています。
そのため、
「水分を飲んでいれば大丈夫」
「マグネシウムを取れば予防できる」
「ストレッチをしていれば足はつらない」
と単純に考えるのではなく、
普段の運動量・筋力・疲労・食事・水分・睡眠などをまとめて考えることが大切です。
特に、スポーツ中に繰り返し足がつる方は、筋肉の状態や身体の使い方を確認し、自分に合ったトレーニングやコンディショニングを考えるきっかけにしてみましょう。
豊橋でスポーツの身体づくりを考えている方へ
S-pace(エスペース)豊橋店では、スポーツに取り組む方に対して、身体チェックやパーソナルトレーニング、ストレッチ、ボディケアなどを組み合わせたコンディショニングを行っています。
身体の動きや筋力、柔軟性などを確認しながら、一人ひとりに合った身体づくりをサポートしています。
スポーツ中の身体の不調や、コンディショニングについてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
参考資料
– [Millerほか(2022)運動誘発性筋けいれんの原因・治療・予防に関する研究レビュー(PubMed)](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34185846/)
– [Costaほか(2026)運動誘発性筋けいれんのリスク要因に関するシステマティックレビュー](https://doi.org/10.1002/mus.70389)
– [NSCAジャパン|運動中に脚がつる原因](https://park.nsca-japan.or.jp/category-13/post-3485/)
– [日本スポーツ協会|熱中症予防5ヶ条](https://www.japan-sports.or.jp/medicine/heatstroke/tabid917.html)
– [Mayo Clinic|Muscle cramp](https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/muscle-cramp/symptoms-causes/syc-20350820)
※本記事は一般的な健康・スポーツ情報を提供するものであり、診断や治療に代わるものではありません。
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